しおり「附属中学校の栄光」を拝読して

(フレッシュアップコミュニケーション21年版より)

前学校長 山崎謙介

 表題にあります栞は過日、本同窓会副会長の田中元次さま( 同窓2期生)が本校にいらした折に届けてくださったものです。本校初代校長職にあられた鹿沼景揚先生による御著書『「奇跡」の教育』(1983年、日本教文社刊)の一部を抜き出したものですが、草創期のご苦労や輝かしさも垣間見え大変参考になりました。鹿沼先生は実は私が学芸大学に赴任した昭和48年には地学教室の教授として大学や教室の運営などで活躍しておられた上司でした。その意味で私とは奇縁もいうべき関係といえます。栞によれば、鹿沼先生が校長職を勤められたのは30代であったとのこと、現在の感覚では信じられないほどの若さです。先生は若いときからある信仰をお持ちになり、その教えに従い生徒や教員の皆さんに接しておられたようです。〝人間はすべて神の子?という考えから、先生は生徒や教員を信じ、また愛しておられました。もちろん中学生というのは思春期を迎える難しい時期ですから、その行動もヤンチャなことばかりであり、そのことは当時も今も変わることはありません。いくつかのトラブルをめぐるいきさつが記されていますが、いつも生徒を信じ、また愛する気持ちで接しておられ、ことを解決していく様の記述は感動的ですらあります。私にとって、これからの経営の指針にしたいと思っております。

おわりになりますが、昨年度から本年度にかけて、本校において人事の異動が少なからずありましたのでご報告申し上げます。まず退任の先生ですが永年本校の教育に従事され大きな貢献をされた国語科の川崎正夫先生が退任されました。また、数学科の田中義久、井部利亮先生がそれぞれ附属世田谷小学校、都立東高等学校に転出されました。替わりに新しく赴任された先生方は数学科では鈴木 裕、小野田啓子、小岩 大の3人の先生方、国語科の堀内 泰先生、理科の鈴木一成先生になります。また国語科の森 顕子先生が交流人事で附属小金井中学校に出向になり、先方から石井健介先生が来られました。