三・一一後を考え続けながら歩み行かねば、と思うのです

(フレッシュアップコミュニケーション24年版より)

前学校長 渡辺 雅之

 同窓会のみなさま、小職はおかげさま で無事新任校長一年目を終えることがで きました。三・一一後に着任し、この未曾有の大惨事から何を学ぶことができ、 被災された多くの方々への思いをどのよ うに持ち続けることができるのか、いざ都心に大地震が起きたならばどう対処し なければならないのか、等仮想の避難訓 練ではない、リアルな避難訓練を考案・ 実施して、生徒諸君はもとより教職員や保護者にも「三・一一後」を考え続けてもらいました。そして、日本文学者のド ナルド・キーンさんの日本永住と帰化の報に接し、どれほど勇気づけられたこと でしょう。卒業式における式辞に取り入れずにはいられませんでした。
 さて、この一年を振り返りまして、卓球部の顧問として技術指導をさせていた だいたことに感謝申し上げます。自身の中学生時代には指導者がおらず、ライバル校の友人がメキメキ腕を上げるのを試合ごとに実感した覚えがあります。だから、この時期に少しでも伝えたいと考え、 夏休みには部史上初の合宿も敢行しまし た(実際にはサッカー部と陸上部の合宿 に便乗したものですが)。そうした成果は、文京区内の試合や四附属戦等で例年と変わらない成績を残せたことに表れていると思っています。
 また、文研の折には創竹会の喫茶「創竹庵」にてベトナム珈琲を淹れる生涯初のマスターを務めたことも印象に残る出来事でした。村山元総理からの要請でベ トナムと関わって早五年、現地で馴染んだベトナム珈琲の、独特な淹れ方(まず カップ内にコンデンスミルクを入れ、専 用の金属フィルターをカップに載せてお湯を落とす)を皆様に味わっていただいてうれしかったです。ベトナム珈琲を初めて知った方も多く、本当にたくさんの方に来ていただき、用意しましたベトナム珈琲の豆二㎏を全て使い切りました。 創竹会の売り上げにも貢献していただいて感謝、感謝の心でいっぱいとなりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げ ます。