退任挨拶 制服も鞄も変わって

(フレッシュアップコミュニケーション27年版より)

前副校長 荒井 正剛

 竹早中学校に着任した時は、ぎりぎり二〇代でした。以来、途中、人事交流での附属世田谷中学校勤務の二年を含め、すばらしい生徒や同僚に恵まれ、とても幸せ者でした。わが子たちもお世話になりたかったですが、住まいが学区域外では話になりません(笑)。そんな遠距離通勤も苦になりませんでした。

 竹早中に赴任した年、授業開始・終了での号令をやめることになりました。指示待ちではなく、主体的に学習の構えを作る。こんな学校を他に知りません。

 また、その年、総務委員を中心に、新しい竹早バックをつくりました。当時は時代の先端を行く鞄でしたが、その鞄も今年度から変わりました。ちょっぴり淋しさは残りますが、中央役員が継続して取り組んできた成果に満足です。

 私が中央役員会顧問の時、制服自由化論議が起こりました。学級だけでなく、生徒全員で議論しようという事になり、体育館に全員集まり、賛成派・反対派・中間派と三つに分かれて、熱く議論しました。ちょうど校舎改築と重なり、女子の夏服を変えたいという要望が高まっていて、制服は残すが変えることになりました。生徒の真剣な議論を受けて、ネクタイやリボン、ポロシャツの色を選べるようにしました。素晴らしい成果です。

 制服と言えば、自分が三年担任の時の修学旅行で、初めて制服着用をやめました。当時は珍しがられました。本校の自由で大らかな校風、試行錯誤を大切にする気風ゆえできたことで、野外での行動がずいぶん楽になったはずです。

 制服や鞄が代わっても、本校の校風を大切にしてほしいと思います。「自ら求め考え、表現し、実践できる生徒」、竹早の誇りである自由研究・卒業研究にも見られる、そんな素敵な生徒像を、今になって社会が求めています。

 私にとって「卒業」した竹早中は、皆さんと同じく「母校」です。いつまでもリピーターの多い学校であり続けてほしいと思います。母校の益々の発展を願ってやみません。 ありがとう!竹早中学校に乾杯!