(フレッシュアップコミュニケーション17年版より)
副校長 池田 正雄
竹早地区の再開発に伴い、老朽化した中学校旧校舎が新校舎に改築されたのが平成9年3月、続いて小学校校舎が新築され小・中一体型の校舎が完成したのが平成11年12月のことでした。全附連(=全国国立大学附属学校連盟)による平成16年度校舎・体育館状況調査によれば、全国で築後35年経過が68校、40年経過が48校、50年以上経過が32校という、ひどい状況です。安全で機能的な校舎は教育活動の基盤でもあり、全附連の調査結果を考えると竹早地区は恵まれた教育環境と言えます。
しかし、これだけでは教育環境として十分とは言えません。竹早中学校では生徒たちが更に良い環境の中で学習ができるよう、昨年の夏休みに3年生の4教室、今年の春休みに1、2年生の8教室に、空調設備が設置されました。地球の温暖化によるここ数年来の異常気象と、都会特有のヒートアイランド現象がますます進む中、都心のコンクリートジャングルの中にある本校では、6月以降の各教室内の温度は想像を絶する程まで上昇します。しかも、交通量の多い春日通りに面していることによる車の騒音や排気ガス、更には、光化学スモッグ等に悩まされるという環境の中では、生徒達を学習に集中させることは非常に困難を伴います。特に、春日通り側の各教室は車の騒音がひどく、窓を開けておくことが極めて厳しい状況にあります。
一方、保護者の方々からも数年来ことあるごとに空調設備の設置の要望がありましたし、教員も設置を強く希望してきました。区内の私立学校はどの学校も当然のことながら空調設備は完備しており、隣接の都立竹早高校も早くから空調設備が完備していました。文京区内の公立小学校、中学校では普通教室の空調設備設置率は100%とのことであり、国立大附属学校だけが取り残された格好になっているのが現状でした。
そこで、この度、本校の教育活動、研究活動のご支援をいただいている教育後援会「創竹会」が、空調設備設置の募金活動へのご協力を呼びかけましたところ、同窓会、保護者の皆様、創竹会会員の皆様他多くの方々から過分な御譲金をいただき、普通教室12教室に空調設備の設置が実現いたしました。お陰様で、この夏は、生徒たちは快適な環境の中で学習ができるものと思われます。この場を借りて御礼申し上げます。
将来を担う生徒たちのために、今後とも教育環境の改善に向けて努力して参りたいと思いますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、昨年度の総合的な学習の時間に、特別講師として同窓生の二瓶好正氏(7期)、細田哲司氏(38期)より、働くことの意義や職業選択についてご講演をいただきましたことをここにご報告するとともに、両氏に厚く御礼申し上げます。同窓生の皆様、これからも母校竹早中学校に暖かいご支援、ご声援をいただければ有り難いと存じます。